足場工事は、建築現場などで作業員が高所で作業を行う際に、作業員の足元を支える構造物を設置する工事のことです。この工事は、作業の安全性と円滑に作業を進めるために不可欠であり、現場によって使用する足場の種類は異なります。

そのため、鳶職人は現地調査を行い、現場に適した足場を組立てることが大切です。
また、足場からの『転落』や『墜落』などの労働災害を防ぐため、労働安全衛生法では足場の設置などに関する安全基準が定められています。

単管足場は、単管（鉄製のパイプ）とクランプという連結金具を使用して組立てる足場工事です。

この足場の特徴は、足場に必要な部品が少なく、設置する環境に応じて、柔軟に足場の形状を変更できることです。

主に、戸建て住宅などの低層の建物や、隣接する建物との間隔が狭い建設現場に適しています。一方で、高層ビルなどの高層の建物には不向きの足場です。

くさび緊結式足場は、一定間隔に緊結部を備えている銅管を支柱とし、その支柱に手すりや筋交などをハンマーで打ち込んで組立てる足場工事です。

この足場の特徴は、ハンマー1本で足場の組立てができるため、組立ても解体も簡単で、短期間での設置が可能です。

この足場は、戸建て住宅などの低層の建物からアパートなどの中層の建物に至るまで、幅広い建設現場で活用されています。

枠組み足場は、その汎用性と信頼性からさまざまな建設現場で幅広く使用されている最も一般的な足場工事の一つです。

この足場の特徴は、使用する部材の強度が高く、長期間にわたる使用に耐える耐久性を備えていることです。これにより、地上45メートルを超える高層ビルなどの高層の建物の建設工事に適しています。また、くさび足場とは異なり、作業の際にハンマーを必要としないため、騒音が少ないという利点があります。

吊り足場は、橋梁（きょうりょう）など、地上から足場を組立てることが難しい建設現場で使用される特殊な足場です。

この足場では、作業板を上から吊り下げて足場をつくります。そのため、設置前の準備作業や点検を慎重かつ丁寧に実施し、作業の安全に注意することが大切です。

移動式足場は、ローリングタワーとも呼ばれており、その名のとおり、「移動させる」ことが可能である足場です。この足場には、脚輪と昇降可能な階段を備えており、工事の途中で足場を移動する必要がある建設現場で活躍します。

足場を再び組立てる手間が不要なため、作業時間の短縮や人件費の節約が可能です。ただし、安全上の理由から、人が乗った状態での移動はできません。また、使用時には脚輪にブレーキをかけ、しっかりと固定することが大切です。